社会福祉制度について
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1.身体障害者手帳 |
ストーマを造設したオストメイトの方は、身体障害者手帳の交付によって、いろいろな福祉サービスを受けることができます(障害認定の対象になるのは永久造設のストーマだけです)。 |
身体障害者障害程度等級表の解説(身体障害認定基準)について |
(平成15年1月10日障発第0110001号障害保険副支部長通知)より抜粋 |
障害認定の時期 |
ア) |
腸管のストマ、あるいは尿路変向(更)のストマを持つものについては、ストマ造設直後から、そのストマに該当する等級の認定を行う。「ストマにおける排尿・排便処理が著しく困難な状態」(注11)の合併症の場合、申請日がストマ造設後6ヶ月を経過した日移行の場合はその時点で該当する等級の認定を行い、ストマ造設後6ヶ月を経過していない場合は、6ヶ月を経過した日以降に再申請により再認定を行う。 |
イ) |
「治癒困難な腸瘻(注13)については、治癒が終了し、障害が認定できる状態になった時点で認定する。 |
ウ) |
「高度な排尿機能障害」(注12)「高度な排便機能障害」(注15)については、先天性疾患(先天性鎖肛を除く)による場合を除き、直腸の手術や自然排尿型代用ぼうこう(新ぼうこう)による神経因性ぼうこうに起因する障害又は先天性鎖肛に対する肛門形成術又は小腸肛門吻合術に起因する障害発生後6ヶ月を経過した日以降をもって認定し、その後は状態に応じて適宜再認定を行う。特に先天性鎖肛に対する肛門形成術後の場合は、12歳時と20歳時にそれぞれ再認定を行う。 |
1級に該当する障害 |
次のいずれかに該当し、かつ、事故の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの |
a) |
腸管のストマに尿路変向(更)のストマを併せもち、かつ、いずれかのストマにおいて排便・排尿処理が著しく困難な状態(注11)があるもの |
b) |
腸管のストマをもち、かつ、ストマにおける排便処理が著しく困難な状態(注11)及び高度の排尿機能障害(注12)があるもの |
c) |
尿路変向(更)のストマに治療困難な腸瘻(注13)を併せもち、かつ、ストマにおける排尿処理が著しく困難な状態(注11)又は腸瘻における腸内容の排泄処理が著しく困難な状態(注14)があるもの |
d) |
尿路変向(更)のストマをもち、かつ、ストマに排尿処理が著しく困難な状態(注11)及び高度の排便機能障害(注15)があるもの |
e) |
治療困難な腸瘻(注13)があり、かつ、腸瘻における腸内容の排泄処理が著しく困難な状態(注14)及び高度の排尿機能障害(注12)があるもの |
3級に該当する障害 |
次のいずれかに該当するもの |
a) |
腸管のストマに尿路変向(更)のストマを併せもつもの |
b) |
腸管のストマをもち、かつ、ストマにおける排便処理が著しく困難な状態(注11)及び高度の排尿機能障害(注12)があるもの |
c) |
尿路変向(更)のストマに治療困難な腸瘻(注13)を併せもつもの |
d) |
尿路変向(更)のストマを併せもち、かつ、ストマにおける排尿処理が著しく困難な状態(注11)及び高度の排便機能障害(注15)があるもの |
e) |
治療困難な腸瘻(注13)があり、かつ、腸瘻における腸内容の排泄処理が著しく困難な状態(注14)及び高度の排尿機能障害(注12)があるもの |
f) |
高度の排尿機能障害(注12)があり、かつ、高度の排便機能障害(注15)があるもの |
4級に該当する障害 |
次のいずれかに該当するもの |
a) |
腸管又は尿路変向(更)のストマをもつもの |
b) |
治療困難な腸瘻(注13)があるもの |
c) |
高度の排尿機能障害(注12)又は高度の排便機能障害(注15)があるもの |
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(注11) |
「ストマにおける排尿・排便(またはいずれか一方)処理が著しく困難な状態」とは、治療によって軽快の見込みのないストマが周辺の皮膚の著しいびらん、ストマの変形、又は不適切なストマ造設個所のため、長期にわたるストマ装具の装着が困難な状態のものをいう |
(注12) |
「高度の排尿機能障害」とは先天性疾患による神経障害、又は直腸の手術や自然排尿型代用ぼうこう(新ぼうこう)による神経因性に起因し、カテーテル留置又は自己導尿の常時施行で必要とする状態のものをいう |
(注13) |
「治療困難な腸瘻」とは、腸管の放射線障害等による障害であって、ストマ造設以外の瘻孔(腸瘻)から腸内容の大部分の洩れがあり、手術等によっても閉鎖の見込みのない状態のものをいう |
(注14) |
「腸瘻における腸内容の排泄処理が著しく困難な状態」とは、腸瘻においてストマ装具等による腸内容処理が不可能なため、軽快の見込みのない腸瘻周辺の皮膚の著しいびらんがある状態のものをいう |
(注15) |
「高度の排便機能障害」とは、先天性疾患(先天性鎖肛を除く)に起因する神経障害、又は先天性鎖肛に対する肛門形成又は小腸肛門吻合術(注16)に起因し、かつ、
ア.完全便失禁を伴い、治療によって軽快の見込みのない肛門周辺の皮膚の著しいびらんがある状態
イ.1週間に2回以上の定期的な用手摘便を要する高度な便秘を伴う状態のいずれかをいう |
(注16) |
「小腸肛門吻合術」とは、小腸と肛門歯状線以下(肛門側)とを吻合する術式をいう |
(注17) |
障害認定の対象となるストマは、排尿・排便のための機能をもち永久的に造設されるものに限る |
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身体障害者手帳の交付手続き |
1. |
住所地管轄の福祉事務所か障害福祉課で、申請用紙と診断書用紙をもらう(障害認定の医療機関と指定医を確認する)。 |
2. |
指定医のいる医療機関で受診し、診断書を作成してもらう。 |
3. |
福祉事務所に申請書・診断書・写真・印鑑を添え提出する。 |
以上の手続きをすると、認定審査が行われ、身体障害者手帳が交付されます。 |
身体障害者手帳によりさまざまなサービスを受けることができます。
・ 交通運賃の割り引き
JR運賃・国内航空運賃・有料道路通行料金・バス料金・タクシー料金・入場料金など
・ 携帯電話の割引
・ 税金の控除、減税など |
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詳しくは福祉事務所におたずねください。 |
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ストーマ装具の給付制度 |
障害者自立支援法の施行により、ストーマ装具が補填具から日常生活用具に認定されました(2006年10月)。
ストーマ装具は日常生活用具の排泄管理支援用具に分類されます。 |
新制度 |
1. |
身体障害者手帳の交付 |
2. |
ストーマ装具(給付券)の手続き |
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1)ストーマ装具販売店に見積書の依頼 |
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2)福祉事務所から給付券が発行 |
3. |
給付券と引き換えにストーマ装具が給付される。 |
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給付限度額は、お住まいの地域によって異なります。 |
● |
限度額に対して、利用者が一部負担し、残りを各地方自治体が負担いたします。 |
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給付金額は、所得制限があり、全額給付されない場合や自己負担金が発生する場合があります。 |
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※ストーマ装具は、補填具から日常生活用具に移行したことにより、地域生活支援事業の一部となりました。そのため、各地域(区市町村)によって取扱いが異なります。
※詳しくは、各地域の市町村や販売店にご確認ください。 |
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2.障害年金制度 |
障害基礎年金 |
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国民年金の障害基礎年金は、1級、2級の状態の型だけが対象です。ストーマを造設しただけでは対象になりません。
詳しいことは市町村の国民年金課窓口にお問い合せ下さい。 |
障害厚生年金 |
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ストーマを造設するに至って病気について、厚生年金の被保険者期間中に病院で初診を受けており、障害基礎年金に該当する障害がある場合、障害基礎年金とあわせて支給されます。 |
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障害基礎年金 |
障害厚生年金 |
等 級 |
1級・2級
*ストーマ造設しただけでは対象になりません。
*コロストミー・ウロストミー両方を造設した方や、その他の障害にある方は、対象となる場合がありますので、市町村の国民年金課窓口にお問い合せください。 |
3級
*永久ストーマを造設された方は対象となります。 |
申請窓口 |
居住地管轄の国民年金課 |
社会保険事務所の年金課 |
支給金額
《平成18年度》 |
1級 990,100円(年額)
子の加算あり
2級 792,100円(年額)
子の加算あり |
1級〜2級 加入期間・給与も
応じ支給。
配偶者加算あり。
3級 同上
最低保障額 594,200
(年額)
配偶者加算なし |
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3.医療費控除 |
自費払いの医療費が年間10万円を超えると医療費控除の対象となります。ストーマ用装具の自費購入については「ストーマ用装具使用証明書」と領収書が確定申告の際必要となります。詳しくは税務署でお尋ねください。 |
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